強烈な原作を巧妙に映画化
第二次大戦。イタリアに展開する米軍爆撃機部隊。司令官、パイロット、軍医…一癖もふた癖もあるキャラクターたちが、不条理な戦場で怪しく生き、また死んでいきます。そしてその戦場を支配するルール「キャッチ22」とは? かなり強烈な戦争ブラック・コメディです。原作も素晴らしい不条理小説ですが、時系列を狂わせまくったこの不可思議な小説を、ある程度忠実に映画で再現しているのは凄いと思います。『メメント』やD.リンチ監督の時系列混乱系の作品が好きな方なら、ぜひお薦め。 重いのか軽いのか、まじめなのかふざけているのか、このスカッとしない不条理さは、とにかく見ていただくしかないものです。 また、映画にはB-25爆撃機の実機が登場し、その出撃シーンは壮観。ヒコーキ・ファンにも。
ジョーゼフ・ヘラーの不条理戦争小説の映像化
たぶん、マイク・ニコルズ監督、アラン・アーキン/ジョン・ヴォイト/オーソン・ウェルズ出演の戦争もの。原作は800万部超を売り上げたといわれるジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22』(ハヤカワ文庫)。 キャスカート大佐率いるピアノーサ島の基地では、多くの具体的な条項を持った(しかし実際にはどこにも存在していない)軍規"キャッチ22"が支配している。この"キャッチ22"の下、有無を言わさず兵は死地に赴かされ、価値は完全に逆転し、公文書があらゆる事実より優先し、正気の者は狂気に追い立てられ、狂気の者は反対に正気の者を基地外呼ばわりする... 戦争の不条理さを徹底的に風刺したブラック・ユーモアです。映像とともに原作もお楽しみください。 ちなみに、原作者のヘラーは進行性筋縮症(ギランバレー症候群)に罹り、その闘病生活を描いた『笑いごとじゃない』もお勧めです(ちくま文庫、絶版かな)。
CICビクター・ビデオ
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