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カウントダウン・ヒロシマ
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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日本人の必読書。
本書は元BBCのドキュメンタリー監督が日米の関係者への取材を元に著したものです。
ヒロシマへの原爆投下3週間の出来事を、広島市民・開発従事者・米国政府・投下関係者などの視点で追います。
まず「読ませる」という点で優れておりページがどんどん先に進みます。
ところどころ誤字・脱字があったのが気になりましたが、著者はもちろん、訳者の功績は多大なものであると思います。
読後脳裏に焼き付いて離れないのが原爆投下後のヒロシマの描写で、あまりに非現実的で感覚さえも麻痺してしまいます。
しかしそれは当時の広島市民にとってはまさに現実であり、「地獄のような現実」があったことを私達は忘れてはいけないと思います。
米国関係者の多くは原爆投下に関して「罪の意識はない」「原爆投下に躊躇はなかった」などと語っており、その背景には種々の事情があったにせよ怒りを禁じ得ません。
当時の関係者が少なくなってしまった今後、このような書が存在するのは貴重なことだと思います。
たくさんの方に読んでいただきたい本です。
ずっしりと重い本です。
読み進むのがつらい場面もあります。
けれども最後まで読ませる力のある本です。
それぞれの立場からのリアルな描写は説得力がありました。
原爆写真をはじめて見せられた小学生のころ、
座席を回ってきた写真集に触れるのがとても恐ろしかった。
悲惨さを教わり、反戦と平和を教わり、
でも、なんでこんなことになったのかは、教えられませんでした。
この本を読んだあと、何冊か戦史を読みました。
先日テレビで被爆者のH氏が、2度平和記念資料館に行ったがどうしても入ることができず引き返した、とお話しでした。
あの飛行機を公開するなんて、ともおっしゃっていました。
けれどもこの本に書いてあるのは興味本位の証言の羅列ではありません。
体験者でないから手にとって読める本なのかもしれません、
でも、たくさんの方に読んでいただきたい本です。
良質なドキュメント
映画を見てた後、物足りなさを感じる事は少なくない。そしてそれが全てではないにせよ、原作を読む事によって物足りなかった物が満たされる経験もまた少なくない。登場人物の人物描写や心理的な動き、後に続く目に見えない伏線、舞台設定の背景状況などが直接または行間を読む事によって埋められていくからだ。本作も映画化するならば、原作との乖離は不可避となるだろう、上映時間には制約があるのだから。 原子爆弾のアイディアを思いつき、ドイツが同じように考えているのではないかとの懸念から、アインシュタインと開発を急いだ原子物理学博士レオ=シラードが、ニューメキシコでの初の爆破実験前にその使用を思いとどまるようにと嘆願書を同僚たちに署名させるべく努力していた。 陸軍長官ヘンリー=スティムソンは原爆製造計画を指導する中心人物の一人であったが、トルーマン大統領に天皇制の存続を降伏条項として認めれば、日本は降伏を受け入れる可能性が増大し、原爆を使用しなくてすむと進言。連合軍最高司令官アイゼンハワー、ホワイトハウスの参謀の一人ウィリアム=レイヒ提督、カーティス=メイ将軍等も原爆投下に異議を唱えた。 研究者・軍関係者等の内でも限られた人はおろか、実際に投下するB29の搭乗員でさえ出撃直前まで原爆の存在は知れされず、その研究を守るため盗聴・検閲・身元調査等ゲシュタポ並みのチェックが常に行われていたにもかかわらず、実験から関わったクラウス=フックスというソ連スパイが潜入し、原爆開発状況は筒抜けであった。 爆撃部隊には、複数の殺人犯を含む重罪犯が脱獄後偽名で入隊しており、軍もそれは掴んでいたが、その飛行技術のみが重要視され、任務終了後には罪は帳消しとなった。 トルーマン・スターリン・チャーチル・裕仁の策略が交錯する。
「トリニティ」への回帰
出来事は、いくつもの側面から語られるが、同時に複数の側面から語られることは少ない。また、出来事の体験者には、それぞれの語りがあり、共通点こそ見出せても、同じものであることはほとんどない。これらのことが、語られた出来事を擬似的に体験する上で、見えない壁となり意外と厄介であるように思われます。 いまさら、またか、という感すらもすでに、またか、という印象を受けることもあるこの類(戦争など)の書籍において、出来事を精緻に再構成するという強い意志によって生み出された作品ではないかと思います。 なお、原作Shockwaveを購入してみたのですが、 翻訳も原作同様、素晴らしい成果を挙げられているような気がします。
多角的な視点と、重い読み応え
広島への原爆投下のカウントダウンを、多角的に再現したノンフィクション。取り上げられるのは、ニューメキシコ州での実験から、運命の日、1945年8月6日までを、J・ロバート・オッペンハイマーら、ロスアラモス研究所の科学者たち、ポール・ウォーフィールド・ティビッツ大佐ら、「エノラ・ゲイ」の乗務員たち、ハリー・S・トルーマン大統領を始めとする政府や、軍上層部たち、昭和天皇を始めとする、大日本帝国の軍及び政府の上層部たち、そして、何よりも実際に被爆した広島市民、そして目撃者たち… あらゆる立場から、人類史上に残る事件≠振り返る。 読みながら思ったことは、まずひとつ。 「これが、現実に起きたことじゃなければ…」だ。 極めて不穏当な表現だが、本として非常に面白い=Bこれが、単に空想の世界の出来事であったら、どんなによかったことだろう。 爆弾投下以後の描写は、凄惨を極める。 地獄絵図という言葉すら、あまりに軽く、空虚に過ぎるのだろう。それでも恐らく実際の光景には、遠く及ばないはずだ。爆弾投下直前のカウントダウン描写には、慟哭に近い感情すら呼び起こされる。そして、投下後の描写には、感情の持ってゆき先が見当たらない。それでも、そんな事態に至った経緯を詳細なインタビューと資料で、緻密にたどったこの本には、とてつもなく重い読み応えがある。 著者は、ロンドン在住の元BBCドキュメンタリー監督。 だが、米国人などによくあるような「原爆投下はしかたがなかった」的な歴史観にとらわれてはいない。その事態を招いた政情や、政治家たちの判断を冷静に振り返りながら人類史上類を見ない非人道的な大量殺人≠ナあった、との視点を欠かさない。 もちろん、歴史観というものにこれが正解≠ェない以上、100%ということはあり得ないとは承知しているんだが、可能な限りフェアな立場から、この事件を振り返ったドキュメントに思える。
早川書房
原爆写真 ノーモア ヒロシマ・ナガサキ 【日英2カ国語表記】 原爆災害―ヒロシマ・ナガサキ (岩波現代文庫―学術) BBC 世界に衝撃を与えた日-4-~ヒロシマ~ [DVD] なみだのファインダー―広島原爆被災カメラマン松重美人の1945.8.6の記録 ヒロシマナガサキ [DVD]
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